株式会社ARKの平井社長に取材!

平井 大輔(ひらい だいすけ)

株式会社ARK 代表取締役
生年:1976年

23歳で営業成績が全国トップ。雇われることに対して違和感を持ち、自分で会社を設立。苦労しながらも守るべき存在のため必死に努力した平井社長。そんな平井社長の取材から「20代の今、なるべく早く知るべきこと」が見えてきました。

本日は平井社長の大学生の頃についてお聞きしたいのですが……

僕大学に行ってないんですよ。高校を卒業した後、すぐに働きました。

あ、それは失礼しました。ちなみに大学に行かなかったのはどうしてなのでしょうか?

大学は大阪にあったんですが、京都から通うのは面倒だな、と思ったんです。そこまでして大学でやりたいこともなかったし、両親からは、「20歳になったら家を出て自立しなさい」と言われていたので。

なるほど。それで就職されるわけですね。

そうですね。先輩に大手クリーニング会社を紹介されて、給料がそこそこいいなと思って入社しました。結局その職場も大阪だったんですが(笑)。

良い会社に就いたらそのままそこで働く道もあったのかと思うのですが、自分で会社を立ち上げたのにはどのような経緯があったんですか?

僕は働き始めた頃から雇われることに対して違和感があったんです。

それはどんな違和感なんですか?

ノルマが与えられるんですよ。僕はあまり働きたくなかった。半月でノルマをこなして残りの半月は遊んで……ってことをしてたら怒られたんです。仕事をしろって。でもそれが僕には理解できなかった。ノルマはクリアしているのに、どうしてもっと仕事をしないといけないのか。

そうなんですね。

23歳になってしばらくした頃、月間売上で日本一になったんです。月で2500万円くらい売ったかな。

2500……?どうしてそんなに売上を上げることができたのですか?

会社のためではなく、お客様を第一に考えて行動しました。お客様のお困りごとのために時間を使ったら、結果的に売上げが上がった、という感じです。

なるほど、仕事の極意のような気もしますね。

「おっしゃ!たくさん売り上げあげたぞ!次の給料楽しみだ!」と思って、ワクワクしながら待ってたら33万円で思っていたより低かったんです。「どうしたらもっと給料が上がるんでしょうか?」と上司に聞いたら「役職が上がったら給料が上がる」と言われました。役職が上がったらどれだけもらえるのかと聞いたら、50万円くらいだと言われました。もっと稼ぎたかったので、「どうしたらもっと稼げるのか」と聞いたら、自分で事業を立ち上げることだと言われて、それで25歳の時に会社を立ち上げました。

なるほど。会社を立ち上げてから苦労したことはありますか?

最初の方は苦労しました。初月商は16万円。経費を払ったら生活できないので、バイトもしていました。日中は営業をして、夜は22時から翌朝6時までコンビニのバイト、少し仮眠してまた営業の繰り返しでした。

すごく過酷ですね…….!大変じゃなかったですか?

大変でしたよ。でも守りたい家族がいたし若かったからね。寝てない日もよくありました。その暮らしが半年くらい続きました。

すごく大変な時期を過ごしたように思うのですが、平井社長にとって20代は人生においてどんな時間でしたか?

暗黒ですね。がむしゃらにやってた。バイトを通じてたくさんの人を知ることができました。ある時レジ打ちをやっていたら、お客さんからお金を渡される時にそのお金を投げつけられたことがあるんです。それを一生懸命拾っていたら、その間にいなくなってるんです。お金を投げられたことも悲しかったけど、お金を数えてみたら足りなくて、とても悲しくなりました。こんな人いるのかと驚きました。

それはひどいですね。他にはどんな人がいましたか?

あとは、週に3日、めちゃくちゃ綺麗な細い人が来てました。カゴ2つに山盛りの商品を積んでくるんです。お会計も1万円くらい。どんなことをしてるんだろう?と人に対して興味を抱くようになりました。人それぞれ、様々な背景がある。みんなはどんな人生を送っているのだろう……と人に興味を持つようになりました。

その経験はどのように今に繋がっていますか?

20代でたくさんの失敗をしたことによって、人の痛みがわかるようになりました。失敗しそうな人がいたら助けてあげることができるし、アドバイスもできる。20代でたくさん失敗しておいてよかったと思っています。

平井社長は若い頃から働き方に違和感を持って自分の生き方を自分で選び、大変な時も努力で乗り越えてきているように見えます。どうしたら平井社長のようになれるんですか?

例えば、日野さんがソフトバンクの孫さんの思考ができたらなんでもできる気がするでしょ?自分のなりたい像を見つけたら、その人の書いている本、発している言葉、見ている世界に自分を触れさせてください。そうすれば、その人の思考に近づいていくのだと思います。

自分の目標がない人はどうしたら良いんでしょう?

今は目指す方向がわからなくても良いんです。でもそこで「わからない」と諦めるんじゃなくて、簡単なことから考えていったら良いと思います。お金に困りたいですか?って聞いたら多くの人は「お金に困りたくない」と答えるでしょう。どんな生活をしたいか?って考えたら何らかのイメージが湧くでしょ。そういうところから少しずつ方向性を決めて行ったらいいんじゃないかと思います。

なるほど!それでは最後に、今後自分の方向性を決めて進んでいく大学生に対してアドバイスをお願いします。

環境はみんなバラバラです。生まれたところや性別も違えば、やってきたことも違います。ただ、1つだけ平等なのは「過ぎ去っていく時間」です。その過ぎ去っていく時間に対して意識を向けてください。

具体的にどうしたらいいでしょうか?

色々な刺激を求めてみたら良いと思います。その際に僕がいつも言っているのは「ちっさいプライドは捨ててバカになれ」ということ。20代の頃にお客さんだった人に難癖をつけられて、「土下座しろ」と言われたことがあります。土下座したら、お金を払ってやると言われました。僕はそれを聞いて、考える間も無く土下座しましたね。自分が頭を下げるだけで、自分の社員の生活を守れるんだったら大したことないと思いました。これなんかもプライドがあったらできないんじゃないかなって思います。もちろん自分の本質は曲げない方が良いと思います。ただ、ちっさいプライドは捨てた方がもっと自分の枠が広がるんじゃないかなって思います。

平井社長の勢いとシンプルな考え方。自分の目指す方向を決めて、その方向を走っている人に触れていこうと思います!