日本における文化の役割とは-平井社長に学ぶ-

こんにちは!表現インターン生の日野です!

今回は京つけもの西利の平井社長にお話を伺いました!

平井誠一(ひらい せいいち)

京つけもの西利 代表取締役社長
生年:1967年

京つけもの 西利

設立:昭和28年(1953年)
事業内容:京つけもの製造および販売
西利 本店
1.なるべくして成った社長

平井社長、本日はよろしくお願いします!早速ですが、20歳の頃の平井社長はどんな人だったのか教えてください!

うちはファミリー企業でその頃は父親が社長をやっていました。その関係で高校1年の時から工場に入って、一通りの仕事は高校時代にやりました。大学に入ると、休みの日は色々な売り場で販売をしていました。一時期アメリカに留学してて、シアトルでつけものを漬けて売っていた時期もありました。そういう意味では高校の時から社長になる意識はあった気がします。

すごい経験だ。大学の時は他に何かしていたことはありますか?

大学ではゴルフ部に所属していました。

どうしてゴルフ部に…?

社長になると思っていたので、接待ゴルフくらいできた方がいいなと思いましてね。そんな甘い考えを持っていたのですが、それが強豪校のゴルフ部でね、練習がとにかくキツかったんです。初日から筋トレさせられたり、プレー中は自分と先輩のバック二つ担いで、ダッシュしなければなりませんでした。先輩は上手なので真っ直ぐに打つんですが、自分はまだ初心者だったからあっち行ったりこっち行ったり。その度に全力で走らないといけないのでジグザグに走ったりで大変でした。それが終わったら駐車場のガレージで正座して反省会。そんなこんなで4年間ゴルフしていました。

その時の経験は今に生きていますか?

そうですね、忍耐力がついたと思います。

懐かしそうに過去を振り返る平井社長

2.経営者としての社長

経営者になって意識が変わったのはどの辺りですか?

決断をすることですね。自分が従業員として働いていた時は、上がいたからパスを回すことができました。自分より上の立場の人がいるということには、しっかりチェックしてくれるという安心感がありました。ただ、社長になって思ったのはスルーパスができないということです。最終決断者だから、投げられる人がいないということです。その時に今まで甘えさせてもらっていたことを実感しました。

どんな決断が一番大変ですか?

お金ですね。商売としてやっているので、利益を出して永続させていかなければなりません。社員が頑張っているのに利益が出ないという会社が一番良くない。仕事を頑張れば利益が出るという仕組みを作るのが経営だと思っています。なので経営と仕事は違うという認識です。

何かを決断する時の判断基準はありますか?

社是が判断基準となっています。「旬 おいしく、やさしく。」お客様に喜んでいただき、お客様の助力によって新たな価値を創造するために、どの様にすれば良いかと考えております。それを実現するためには3つの心(きめこまかな心、おもいやる心、わかちあう心)を育むことが最も大切だと考えます。

座右の銘はなんですか?

「有言実践」です。

初めて聞く言葉です。

造語なんです。自分の考えをみんなに伝えて、その上で行動するということです。似た言葉に「有言実行」ってあるんだけど、辞書を引いてみたら「実行」というのは「事を起こすこと」、「実践」というのは「目的のために事を起こすこと」を指すそうです。実践の方がしっくりきたのでこの言葉を使っています。

平井社長が「自分を変える」ために大切だと思うことはありますか?

人との信頼関係を育むことです。先ほどの3つの心(きめこまかな心、おもいやる心、わかちあう心)を育んでいくことで人との信頼関係を生むことが可能であると考えています。まず自分を知るためには素直になることが大切だと思っています。苦言を有り難いと思うこと、そして自分の恥ずかしいと思う事を見せられるような人を見つけることが大切だと思います。自分の知らない事を教えてもらうには信頼関係が必要となります。

社長にとって社員はどんな存在ですか?

有り難い存在です。僕が言う事を、理解して動いてくれています。なので、彼ら彼女らが満足する生活を提供してあげたいと日々思っています。

そんな社員に対して日々意識していることはありますか?

責任感を持たせるためのことは色々と行なっています。例えば、社員が十分な仕事ができなかった場合、僕はその社員だけのせいにするのではなく、頼んだ上司にも責任があると考えます。頼んだ側にも責任感を持たせることで、頼まれた時に、頼む側の気持ちがわかるようになります。

一緒に反省するということですね!

そうした環境を作ることによって、自分の部下に仕事を任せる時に、その部下に投げやりになることがなくなるんじゃないかと思っています。

社員を大切に思っていることが伝わってきます!

多種多様な西利のつけもの

3.理想の社会

西利が掲げる「塩かげん」とはどのようなものなのでしょうか?

創業者の祖父が、西利商店の「のれん分け」を認められた時から大切にしていた「三方よし」の考え方をイメージしてもらったらわかりやすいかと思います。社業の目標である「旬 おいしく、やさしく。」による経済的調和、「3つの心」による精神的調和、そして健康の3つの調和を測りながら事業を行うことを指しています。

塩かげんの行き着く境地とはどのようなものなのでしょうか?

漬物屋として、会社として、西利がこの社会に貢献できていると僕らが本気で自信を持てた時がこの境地の完成になると思っています。

そんな社長にとっての理想の社会とはなんですか?

もともと日本は農耕民族で、集落で共同生活を営んでいました。その時の相互扶助の関係は契約社会ではなく信頼社会です。そのころの日本が僕にとっての理想の社会だと思っています。日本は島国で比較的安定した国です。民族としては文化度が高く温厚だと思っています。もっと他の国から尊敬されてもいいのではと感じています。そのためには文化度をもっとあげていかなければいけないと思っています。

そうした社会に対する西利の社会的意義とは何でしょうか?

西利を通して、京つけものを通して日本の食文化をもっと世界に広げていくことです。

実際の取材ではここには収まりきらないくらいの深い話、面白い話であっという間の2時間でした!平井社長、お時間いただきありがとうございました!